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以前よりかはきちんと眠れるようになってきた。
身体動かしてるのもあるかもしれない。
たまに、このまま忘れていけそうな気がするときがある。
そうすれば楽だけど、悲しい。
僕が彼女を忘れてしまうということは、彼女も僕を忘れていくということだという気がする。
(もう既に忘れてしまっているかもしれない)
なので、僕はそんなとき引っ張り戻そうとする。
そうすると眠れなくなる。
シーツ等の洗濯を進めていって、だんだん匂いもなくなってきたのも、
忘れられそうな原因かもしれない。
昨晩は彼女の匂いより、日の匂いの方が強くなってしまったシーツに
「あー、いってしまう」と焦り、
唯一まだ洗っていないシーツに倒れ込んで顔を埋めた。
彼女との愛しい時間のことはなるべく考えないようにしている。
思い出しても戻ってこないし、ただつらくなるだけだから。
そんな時間もあったんだと思うと、一瞬甘い気持ちになる。
その後、ドーっと雪崩みたいに悲しさが押し寄せる。
昨日まではとにかく部屋にいたくなくて、用事を作って外に出かけていた。
けど、そろそろ家で落ち着けるようになりたいし、
今日は部屋で絵と手紙を描いて過ごそうと思う。
明日には一つ年をとってしまうので、その前に一枚最後の絵を描いておきたいという気持ちが強い。