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駆け抜ける夢をみた。
スタート地点はきっと高校だったと思う。当時のクラスメイトがたくさん出てきた。
しかし、僕は幽霊のように彼らと交わることはなかった。
途中、大きなショッピングモール、地下鉄の駅を通りぬけ、
ゴール地点は海だった!
海では無数の打ち上げ花火があがっていた。
ゴール地点では恋人がいて、また売店かなにかで叱られる夢だった。
走り抜け、色々な人を追い越していくのは気持ちがよかった。
順位のことは気にしていなかった。
自分で思っていたより、ずっと早く走れることに驚き、人々を抜けることに驚き、
ただ走りきっただけだった。
そうしてゴール地点では、無数の花火と恋人のことだけしか関係なかった。