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あれから、1週間くらいしかたってないのに、
なんとなくメッセージを送ってしまった。
会いたいとか話したい、という気持ちはもちろんあるんだけど、
やっぱりもう終わってしまった気もしていて、
今メッセージを送ってみると何が起きるんだろうという興味もあった。
結果は返事が返ってこない、という。
くよくよしてるわけじゃないけど、あの時間は何だったんだろう。
僕はあの時に、本当の愛を感じたと思ったけど、
それもそもそも本当だったのかどうかもわからなくなってきた。
まあ、いい。
どうせ今自分にできることは決まってるし、
それを知っているのでするしかない。
自分のことを自分でするしかない。
寂しいけど。
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今日は机にニスを塗って、乾かす間にキャンバスを張った。
昨日までと同じ部屋にいると思えないほど、
気分が違う。
キャンバスは張りが甘く、ぶよぶよの感じになってしまったけど。
Yが絵を送ってくれそうにないので、
自分で飾りたい絵を描こうと思って考えている。
自分のために描く、となると自分が何が欲しいかというのを考えるだけで、
ただ飾りたい絵を自分でつくるというのは、すごくピュアな気がするし、
イメージもすーっと急に出てきた。
結局自分の中にある風景を、窓からのぞくみたいに、
画面に取り移すだけなのかも。
夜は走った。適温でフォレストガンプみたいに、そのままどこまでも走っていってしまえそうだった。
アイデアも湧いた。
結局、別に今は誰の要望もないわけだから、自分が欲しい絵だけを純粋に描くっていうことでいいのかも。
誰かに何か訴えかける必要もないのかも?
起きたけど、誰にも気づかれなかったこと、
起きたけど、なかったこととして忘れられていくこと、
起こると思っていたけど、起きなかったことの予感、
起きたと思っていたけど、現実に何が起きたのかわからないこと、
そのまま幻のようになってしまうこと、
のようなものたち。
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渡されることのなかった手紙、について昼に考えていたら
夜に間違った手紙がうちに届いていた。
しかし、名字は僕と同じで下の名前も
親が僕の名前をつけるときに第一候補で考えたものだったので
次元が歪んだような、自分が今までとは少しずれた世界の自分になったような気分になった。