梅雨がきて、部屋から雨眺めてる。
そうしてまた、昨年のこと、思い出してる。
梅雨が去るともう夏がくるんだな。
夏には蝉の声がシャワーみたいに降り注ぐ。
木の影が濃くなって、ゆらゆら揺らいで、それが水中みたい。
光が強くて、黄色い花なんかは、白く飛ぶ。
アスファルトからは、ゆらゆらと生きた熱が立ちのぼる。
クーラーの匂いが部屋に満ちる。
夏のこと考えてる今が一番夏らしい気持ちになれる。
って毎年この季節になると思っている。
女生徒、読んでいる。
『ほんとうに私は、どれが本当の自分だかわからない。』