大きい机を自分で作って、部屋の模様替えをした。

机はもうあと10cmくらい奥行きが欲しかったなという感じなのだけど、

部屋の印象はかなり変わって、引っ越しに近いほどの気分転換になった。

するとAと過ごした思い出も空間と結びついていたのか、更に薄れて

そこの余裕も出てきた。

とは言っても、Aがこの部屋に来たら何て思うだろうとか、

来てくれたら良いのにとかは相変わらず思ってるし、また仲良く出来ればもちろん幸せなんだけど。

しかし、Aの写真を見ていても、交じることのなかった人の写真を見ているような気になってくるし、

Aもきっと僕のことはどんどん忘れていってるだろうと思う。

 

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壁が大きく空いたので大きな絵を飾りたくなった。

ドイツに留学中のYと絵を交換する約束をしていたけど、最近は忙しいのか連絡がつかない。

今Yのあの黄色い絵が部屋にあればいいのになと思う。

代わりに自分で部屋に飾りたい絵を描こうかなと思っている。車の絵かな。

繋ぎ止めるために考えてるせいで、また夢にみた気がする。

というか、夜うまく眠れなかった。

この曲を一緒に聴けたらいいのに、とかそんなしょうもないことを考えてしまったりする。

しょうもないよ。

 

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イデアってどうやって出していたんだっけ。

なんで、踏ん切れないのだろうか。

今日こそ描きたい。

確信を得なくてもとりあえず描けばいいんだ。

 

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部屋で、送ってもらったSONYのスピーカーで音楽聴いてると車の中にいるような気分になるときがある。

車は運転できないせいか、止まっている車の中、外は何だろうか、知らない街。

知らない人も行き交う。知らない広告が並ぶ。

ただ、自分はその車内で音楽を聴いて過ごす、運転していた人を待っているのかもしれない。

何も待っていないのかもしれない。

時間に限りが無いような気がする。

 

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見えるような気がするもの、

見えそうな見えないものを、見えそうな予感のまま描いてみようかな。

まあ、僕にとっては特別なことだったけど、

彼女にとっては全然大したことなんかではなかったのかもしれないな。

 

なのに、僕だけこんなに考えて思ってる。

馬鹿馬鹿しい。

 

全部過ぎ去った。

なのに、こうやって記憶の中だけでも繋ぎ止めようとするのは何故なんだろうか。

まだきっと、少し期待があるんだろうな。

新しい絵、未だ良いアイデアが浮かばず。

自由に絵を描きたいとか言っていたけど、

何も制限がないと、急に確信を得られるアイデアが出なくなった。

 

反復について、自分のしたいことについて、

考える必要がある。

手助けというか取っ掛かりが必要な気がする。

 

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起こったけど起きなかったこととして扱われることや、

起こると思っていたけど起こらなかったこと、

予感だけあって、実際は何も起きずに過ぎていくこと、

起きていると思っていたけど、実は何も起きていなかったこと。

 

何も知らないけど、これから起きるかもしれない無数の可能性のことも。

Aちゃんのタトゥーの意味は、と訊きたいけど

ただ話がしたいだけの気がするし、

まだあれから何もしていないのでやめておく。

会わなくなってからは2週間、最後に連絡とったのは1週間前。

もう以前の繋がりは消えてしまっているので、

つなぎ止めようと焦っても、もう既にそこにはないので、

意味が無い。

眠い。

 

もらった桜の花は咲ききる前に朽ちようとしている。

思い出そうとしてるからか、夢をみた。

どういう形かはわからないけど、とにかく再会してこれからまたスタートしようというような雰囲気だった。

 

「僕は今日台湾の映画を見て、中華を食べたんだけど

そのときにも、やっぱりAちゃんのことを思い出してばかりだったよ」みたいなことを告げて安心している夢だった。

起きたら夢だった。

寝起きは夢のテンションを引きずっているか、大抵卑屈になってしまう。

また少し話しかけてみたくなったけど抑えた。

僕はあれからまだ何もしていない。

 

Aが今何しているのかも想像できない。

今日は友達と遊んだ。

台湾の映画観て、その後中華食べにいって、

もちろんAのことを思い出した。

Aの話を友達にもした。

 

ただ、結局自分は起こりはしなかった、期待の未来、

記憶の幽霊、まぼろしみたいなのを追いかけているだけなのではないかという気がしてきた。

こんな風になってからそろそろ2週間か。

 

ただシンプルにハッキリしていることは、今自分に出来ることは絵を描くことだし、

自分には絵が描けると信じているし、

自分を他の人より劣っているとか、卑下するのは

ただ自分の価値を下げるだけというか、

今回ただうまくいかなかっただけで、もっと恰好良く生きることだってできるはず。

 

とにかく美しい絵を描いてやる。